
埼玉県内25市の補助金・給付金を、市の公式サイトを一次ソースに1つずつ調べました。同じ埼玉でも給食費が0円の市と月6,450円の市があり、止水板の助成がある市は25市中2市だけでした。このページでは、その差がはっきり出た3つの分野でランキングにまとめています。
📌 読む前に知っておいてほしいこと
このページの内容は2026年9月時点のものです。補助金は年度ごとに金額や条件が変わり、予算がなくなった時点で受付が終わるものがほとんどです。実際に調べた25市のなかにも、すでに受付を終えた制度がいくつもありました。申請の前には必ず市の公式ページか窓口で最新の情報をご確認ください。
🏛️ まず「県の制度」と「市の制度」を分けて考える
埼玉県の支援制度でいちばん多い誤解が、「県の制度だから県庁に行けばいい」というものです。実際には、こども医療費も、ひとり親家庭等医療費も、不妊の検査費助成も、移住支援金も、窓口は市役所・町村役場です。県は制度の枠組みをつくり、お金の一部を出しているだけで、県庁では手続きできません。
県の制度を理解すると、市ごとの差の理由が見えます
- ひとり親家庭等医療費の「通院1か月1,000円・入院1日1,200円」は県の基準。これを市が独自に廃止したかどうかで差が出ています
- 難聴児の補聴器は公費3分の2(県3分の1・市町村3分の1)。市の記事に出てくる「購入費の3分の2」はこの枠組みによるものです
- 戸建て住宅の耐震補助に県の制度はありません。県の対象は学校・病院などの大規模建築物だけで、住宅は市町村の制度です
🍚 ①学校給食費が手厚い市 TOP5
25市を調べて最も差が大きかったのが給食費でした。小学校も中学校も完全に無償なのは25市中5市だけです。多くの市は「小学校は無償、中学校は負担が残る」という形で、和光市では小学校450円・中学校6,450円と同じ市のなかで14倍の差がついています。下の5市は、その中で小中とも0円を実現している市を、開始の早い順に並べたものです。
🔎 ランキングに入らなかった市も見てください
上尾市は中学校が半額(月2,650円)、志木市は小学校の年間負担が3,500円程度・中学校が半額・3人目以降は無償と、完全無償でなくてもかなり手厚い市があります。逆に春日部市は中学校が6か月だけ無償で、令和8年11月から保護者負担が戻ります。鴻巣市は「令和9年度以降は5,800円となります」と終了時期まで明記しています。金額だけでなくいつまで続くのかも必ず確認してください。
🌊 ②水害・防災にお金が出る市 TOP5
これは調べていて最も驚いた分野です。荒川・利根川・入間川を抱える埼玉で、玄関に付ける止水板の助成がある市は25市中2市だけでした。しかも令和元年の東日本台風で実際に浸水被害が出た東松山市・川越市にも助成がありません。下は、水害や地震の備えに実際にお金が出る市を金額と対象の広さで並べたものです。
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⚠️ 「川があるから助成がある」わけではありません
東松山市は令和元年東日本台風で都幾川・越辺川が氾濫し大きな被害を受けましたが、止水板・雨水タンク・感震ブレーカーの助成は確認できず、無料の土のうステーション7か所で対応しています。久喜市は南栗橋地区で液状化被害が出ていますが、個人の宅地の液状化対策への補助は確認できませんでした。被災した市ほど手厚い、とは限りません。
🤰 ③不妊治療にお金が出る市 TOP5
不妊の検査費は、県の要綱にもとづいて25市すべてで助成があります(女性35歳未満なら3万円、それ以外は2万円)。差がつくのは治療そのものにお金を出すかどうかで、出しているのは25市中7市だけでした。
🔎 このほかの市
このほか戸田市は不妊治療の先進医療に1回15万円、ふじみ野市は保険診療分に上限5万円(ご夫婦1組1回限り)を出しています。残る18市は検査費のみ、または市の助成が確認できませんでした。
💡 ランキング外でも「その市ならでは」の制度があります
3分野のランキングに入らなかった市にも、他ではあまり見かけない制度があります。調べていて印象に残ったものを挙げます。
住まい・移住
- 久喜市:通勤通学者特急券等購入費補助金。東武特急やTHライナーの定期代を購入費の2分の1・年間上限12万円で補助(令和8年度は受付終了)
- 狭山市:入間基地の住宅防音工事を国が全額負担。騒音区域内かつ昭和58年12月24日以前の建築が条件で、中古住宅選びに直結します
- 富士見市:隣地統合促進補助金。未接道地と隣地を一体化すると2分の1・上限50万円
- 北本市:空き家改修の加算が積み上がって最大52万円(市外転入1人5万円×4人・中学生以下1人2万円×4人など)
- 本庄市:浄化槽の転換補助が最大808,000円と県内最高水準
子育て・くらし
- 桶川市:こども商品券1万円分を3回=計3万円。4か月児・1歳6か月児・3歳3か月児の健診会場で引き換えます
- 深谷市:0〜2歳の保育料を課税世帯まで完全無償化(市は県内初としています)
- ふじみ野市:お出かけサポートタクシーが妊娠中の方と未就学児のいる世帯まで対象(年24回・運賃半額)
- 本庄市:男性のHPVワクチンに1回上限15,000円×最大3回
- 鴻巣市:友好都市・福島県金山町への宿泊費補助(大人1泊2,000円)
お金の出し方が独特な市
- 東松山市:太陽光の奨励金7万円を地域通貨「ぼたん圓」で交付(市内300店舗・有効期限6か月)
- 深谷市:0歳児子育て支援金や移住支援金を地域通貨「ネギー」で支給
- 行田市:自転車ヘルメット補助が行田商店共通商品券2,000円
- 鴻巣市:出産祝金が商工会のお買い物券1万円分
- 志木市:水道基本料金を8か月100%減免(申請不要・全世帯)
📍 エリア別|埼玉県25市の補助金記事一覧
お住まいの市、または引っ越し先として検討している市の記事をご覧ください。それぞれ市の公式サイトを一次ソースに、金額・条件・受付状況をまとめています。
さいたま・県央
県南(東京寄り)
川口市、戸田市、蕨市、朝霞市、志木市、和光市、富士見市、ふじみ野市
東部(利根・中川)
西部(川越・入間)
北部(熊谷・本庄)
秩父
📝 まとめ|埼玉の補助金は「市によって別の国」くらい違う
25市を1つずつ調べて、いちばん強く感じたのは「隣の市にあるものが、自分の市にはない」ということが普通に起きるという事実です。
給食費は小中とも0円の市が5市ある一方、和光市では中学校で月6,450円かかります。止水板の助成は朝霞市と桶川市の2市だけで、しかも両市とも「所有者又は使用者」として賃借人にも開いているのに、隣接する志木市・和光市・富士見市・ふじみ野市にはありません。不妊治療は深谷市・本庄市が最大50万円を出す一方、18市は検査費のみでした。
そして金額よりも「いつまで」「誰が」のほうが大事な場面が何度もありました。桶川市の脱炭素奨励金は令和8年6月11日の午前9時20分に予算満了、富士見市の省エネ家電は8月31日に残額0円、春日部市の中学校給食費は令和8年11月から負担が戻ります。ほとんどの制度が工事の着工前・購入前の申請を求める点も共通していました。
まずはお住まいの市の記事で使えるものを確認して、そのうえで県の制度で市町村が窓口になっているものを押さえるのが確実です。