
一言で言うと、
埼玉高速鉄道線(地下鉄7号線)を、浦和美園から岩槻まで約7.2km延ばす計画が進んでいます。新しい駅は3つ(いずれも仮称)で、開業の目標は2041年4月です。
2026年3月に埼玉県とさいたま市が事業の実施を正式に求め、6月に鉄道会社などが回答しました。ただ、国の認定や都市計画の決定はまだこれからで、建設が決まったわけではありません。
家を選ぶときは、計画がいまどの段階かと、新駅の位置(中間駅はまだ決まっていません)を確かめておくと安心です。
なぜ地下鉄7号線を岩槻まで延ばすの?
浦和美園〜岩槻〜蓮田の延伸は、2016年4月に国の交通政策審議会の答申で、整備を検討する路線に位置づけられました(埼玉県)。
埼玉県とさいたま市があげている主な理由は、次のとおりです(計画の素案)。
- 浦和美園と岩槻の間は鉄道がつながっておらず、市の鉄道網の「抜けている区間」になっている
- 都心へ早く行けるようにし、駅から遠い地域を減らす
- 県東部から都心へ向かう路線の混雑をやわらげ、災害のときの別ルートにもなる
- 埼玉スタジアム2002へ行きやすくする
県の試算では、費用に対する効果の比率(B/C)は1.2で、費用を上回る効果が見込まれるとしています(さいたま市)。
地図|延伸ルートと新駅の場所

出典:国土地理院ウェブサイト(淡色地図)をもとに埼玉すまいラボ作成。新駅の位置はおおよその位置で、中間駅の場所はまだ決まっていません。
①が今の終点の浦和美園駅です。ここから北へ、②埼玉スタジアム付近、③中間駅(岩槻区浮谷のあたり)を通り、④東武アーバンパークラインの岩槻駅付近までを結びます。
計画の中身|約7.2kmに新しい駅を3つ

埼玉スタジアム2002。臨時駅の埼玉スタジアム駅(仮称)はこの付近に計画されています(※イメージ)
📌 地下鉄7号線の延伸計画(2026年10月時点)
区間:浦和美園〜岩槻 約7.2km。浦和美園から岩槻の市街地の手前までは高架、岩槻の市街地は地下
新しい駅:埼玉スタジアム駅(臨時駅)・中間駅・岩槻駅の3つ(いずれも仮称)
本数:朝夕は1時間に8本(うち快速2本)、それ以外は1時間に5本の計画
事業費:約1,440億円(2025年4月の価格)。国・地方・事業者が3分の1ずつ負担
目標:計画が国に認められてから約14年。素案では2041年4月の開業を予定
素案の試算では、岩槻駅(仮称)から永田町までが約66分から約52分に、約14分短くなるとしています。今は大宮や池袋を経由するルートです(埼玉県)。
埼玉スタジアム駅(仮称)は臨時駅として計画されています。試合などのときに、大宮から埼スタまでの時間が約31分から約22分に短くなる試算です。
浦和美園|延伸の起点

延伸の起点になる浦和美園駅(※イメージ)
浦和美園駅は2001年3月に開業し、まわりでは土地区画整理で街づくりが進められてきました。4つの地区で約320ha、計画人口は約3万2,000人です(さいたま市)。
駅の利用者も増えています。浦和美園駅の1日あたりの利用者は、2023年度の11,665人から、2025年度は13,410人になりました(埼玉高速鉄道)。
いまは終点なので、始発の電車に座って乗れるのが強みです。延伸すると途中駅になるため、この点は変わるかもしれません。駅の暮らしは「浦和美園駅の住みやすさ」でくわしく紹介しています。
中間駅|1万人の新しい街をつくる計画
中間駅(仮称)は、岩槻区浮谷のあたりに計画されています。さいたま市は2026年1月に、駅のまわりのまちづくりの方針を改めました(さいたま市)。
📌 中間駅のまちづくりの方針(2026年1月改定)
広さ:約120ha、住む人は約1万人を目標
つくり方:駅から歩いて10分ほどの範囲にお店などを集め、鉄道と土地区画整理を同じころに始める
時期:開業のときに先にできるエリアをまちびらきし、開業後おおむね15年で1万人をめざす
ただし、中間駅の正確な位置は「現在も検討段階で、決定していない」と市は説明しています(さいたま市)。区画整理の事業も、まだ認可の前です。
岩槻|地下の新駅と駅前のまちづくり

東武アーバンパークラインの岩槻駅。岩槻駅(仮称)はこの近くの地下に計画されています(※イメージ)
岩槻駅(仮称)は、東武アーバンパークラインの岩槻駅の近くに、地下の駅としてつくる計画です。さいたま市は2026年1月に「岩槻駅周辺まちのあり方ビジョン」を公表し、駅のまわりのにぎわいづくりを考えています(さいたま市)。
埼玉高速鉄道は、岩槻駅(仮称)について、駅のまわりのにぎわいと、歴史や観光の資源をいかした取り組みを県と市に求めています(埼玉県)。
岩槻駅の暮らしは「岩槻駅の住みやすさ」で紹介しています。
いまの段階と、これから
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2025年9〜10月 | さいたま市が説明会を7回開く |
| 2026年3月31日 | 県と市が、鉄道・運輸機構と埼玉高速鉄道に事業の実施を正式に求める |
| 2026年6月30日 | 機構は「環境影響評価と並行して協議し、財源の見通しなどをふまえて判断する」、埼玉高速鉄道は「営業の計画の認定申請の準備に着手する」と回答 |
| これから | 国による計画の認定、都市計画の決定(市の計画案では2030年度が目標)、工事 |
※出典:さいたま市(説明会)、埼玉県(2026年6月の回答)、さいたま市 実施計画素案
回答の内容を見ると、事業者は前向きに準備を始めたものの、建設するかどうかの最終判断はこれからという段階です。
住まい選びで確かめること
新しい駅の話は、家選びの大きな材料になります。ただ、開業まで15年ほどかかる計画なので、宅建士の立場から、確かめておきたいことをまとめます。
住まい選びのチェックリスト
✅ 計画が「要請」「認定」「都市計画決定」「着工」のどの段階かを、県や市のページで確かめる
✅ 新駅の名前と場所は仮のもの。特に中間駅の位置は決まっていないことを知っておく
✅ 「新駅ができるから」だけで決めず、今の通勤時間と暮らしやすさで選ぶ
✅ 予定ルートの近くでは、高架や工事で日当たりや音が変わることがあるので、地図で位置を見ておく
✅ 重要事項説明で、近くの都市計画について説明を受けたら、気になる点はその場で聞く
まとめ|地下鉄7号線の延伸は「段階」で見る

地下鉄7号線を浦和美園から岩槻まで約7.2km延ばし、新しい駅を3つつくる計画は、2026年3月に県と市が事業の実施を正式に求めたところです。
目標は2041年4月の開業ですが、国の認定や都市計画の決定はこれからで、中間駅の位置もまだ決まっていません。
家を選ぶときは、計画がいまどの段階かと、今の暮らしやすさをあわせて確かめておくのが、いちばん確かな備えになります。